葡萄通信 05/05/05

久しぶりの更新になりますね。ほぼ全ての品種が萌芽し、本格的に忙しくなってきました。
写真は、境川農場のピオーネをマイクロスプリンクラーでかん水している様子です。

今年は、4月下旬から、降雨量が少なく2度目のかん水を始めました。
独自の栽培理論の中で、「土壌水分を一定にする。」
「特に初期成育時、水分ストレスを与えない。」というのがありますが、
植物が生育を進める上で、休眠期から目覚め、根が植物成長ホルモンを分泌し、
萌芽することがスタートになる訳ですが、ここで大きなストレスを感じるようです。

萌芽は、生みの苦しみに似た状況から命のスタートラインに立つのですから、
大量の水分を必要とします。春先に雨が多いと目吹が良いと昔から言われますが、
実際は、それ以上に重要で、花芽の形成と初期の細胞分裂の絶対数にまで影響します。

スタートが良くなければ、ゴールは遠くなります。
木の芽が吹くころ、精神的に不安定になる人が多くなるのも、無関係ではないように思われます。


葡萄通信 05/05/16

デラウエアの一回目のジベレリン処理を14日にしました。一房ずつ浸漬処理します。
ジベレリン液は、無色透明ですが、処理したかどうか判断しにくいため、
着色剤を添加します。

デラウエアは、この一回目の処理で、その品質が80%決まると考えています。
それまで定期的にかん水し、生育を丹念に観察しながら、栽培管理をしました。
処理日を決定するのは、葉数、房の外観、累積温度、展葉からの日数などです。

当日と翌朝の天気、特に湿度状況により大きく左右されます。
翌日、湿度80%が4時間以上あれば、成功と言えるでしょう。
そのため処理後、葉に散水をし、スプリンクラーでかん水をします。
当日の生育状態よりも、その後の湿度や温度により結果が左右されるため
天気予報を何度も確認し、処理日を決定しました。
乾燥状態が続き再処理する農家が多い中、今年も無事一回で終了しました。

 

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