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防除の基本とは

・コンプライアンス ポジティブリスト 農薬を使用するルールを知る。

たとえば30日前3回とは、収穫前30日の使用で有効成分は、3回まで使用できるということ。有効成分は、薬品名ではないので注意すること。
殺虫剤スタークルとアルバリンは、同じ有効成分ジノテフラン(ネオニコチノイド系)7日前2回
ジマンダイセンは、マンゼブ(60日前2回)、
リドミルMZは、マンゼブとメタラキシル(60日前2回)の混合剤。
農薬登録、肥料登録されていないものは散布すると違法。
登録が取れていても使用作物、散布回数、収穫時期を守らなければ違法。
自然由来のものでも違法になる。ニーム、木酢液など。
ポジティブリスト制については、近隣の他の作物への飛散(ドリフト)に注意する。
近隣の作物にも登録が取れているか確認すること。

特に収穫期近くになると残留農薬が検出される可能性が高まるので配慮すること。その地域が出荷停止になる。
法律は、正しいから守るのではなく、決められたルールに従うことが社会的使命である。

・病気は、予防が一番。発生させないこと。

ベト病が発生した時、「実ベトは心配だが葉ベトは、そんなに心配じゃない。」
というような認識では防除できない。

・雨がなければ病気にならない。ベト病、灰色かび病、晩腐病など。
少雨の時はウドンコ病とダニやスリップスなど虫害に注意。

・コストを考慮すれば、散布回数を減らすことが効果的。
病気が発生したら、3回多く防除し、品質も落ちる。
免疫、治癒のため体内の栄養分(資化成アミノ酸)が消費される。

・生育ステージの切り替え時(開花、結実、幼果期)は、新しい細胞に転換するので、
付着系の薬剤(ボルドー液、マンゼブ剤など)は、防除効果が落ちる。
浸透移行性のある薬剤(ベトファイター、レーバスフロアブルなど)を使うこと。

・相手を知ること。病害虫の特性を知る。
発生を予測できれば、予防は簡単。たとえばハウモンヨトウの生態を調べ適切な薬剤を探す。

・薬を知る。有効成分の特性、系統を知る。
同じ系統の薬剤を連続して使用しない。これは、基本中の基本。

・混用の順序は、乳剤が一番先で、次に水和剤、フロアブル

・二種以上混用の場合は、展着剤の必要ない。
混用は、三種まで。(高濃度になる。)なるべく低濃度のものを組み合わせる。

・病気が発生したら、治癒効果のある薬剤を単用で散布。高濃度で、散布量も50%増にする。
浸達性展着剤を加用すること。今年の場合は、ベトファイター2000倍を推奨する。

・新薬は、通常は低濃度で使用すること。
・朝露が多少あっても散布する。

・雨の前に散布する。
化学農薬の場合は、乾けば効果あり。

・ボルドー液は、アビオンEを上手に使う。
散布直後の降雨に注意。

・ボルドー液で防除できない病気がある。ウドンコ病、晩腐病、灰色かび病など。
付着してないところは、無防備。条件が揃えば発病する。